自営業者と債務整理4つの方法~フリーランスは任意整理、個人再生、自己破産どの方法を選ぶべきか

ケース別に考える債務整理

商売を営んでいる人にとって「事業の破綻」は、すぐ側にある不安といえます。

自分では最善を尽くしているつもりでも、取引先の都合や景気などが原因で、商売が行き詰まってしまうことはありうるからです。

また、事業に伴う借入や、生活や趣味のための借金とは比べものにならないほど多額になることも少なくありません。

金策に翻弄されているうちに多額の借金を抱え途方に暮れている人もいるかもしれません。

多額の借金が返せないときの解決方法としては「自己破産」がよく知られています。

その他方で「自己破産だけは避けたい」と考えている人も多いでしょう。

たしかに、自営業者が自己破産すると、さまざまな点で大きな不都合が生じることもあります。

しかし、「自己破産もできなければ、あとは夜逃げするしかない・・・」と思い詰める必要はありません。

今回は、自営業者の人が自己破産以外の方法で、借金を解決する方法について解説します。

借金問題は、さまざまな方法で解決できます。

「私の場合は自己破産しかない」と勝手に決めつけずに、まずは弁護士・司法書士に相談してみましょう。

また、『給与が入っても借金の返済で終わってしまいまた借りてしまう。』

『現実問題として完済は無理だと頭では分かっているのに放置をしている。』

上記の様な状態にまで陥っている場合、その借金問題を解決できる可能性はまずありません。

手遅れになるまえに借金問題の専門家へ相談を行ってください。

どこの法律事務所へ相談をしたら良いのか分からない方は、匿名で使える借金問題無料シュミレーションサイトの利用が便利で簡単です。

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それでは解説をしていきます。

自営業者が自己破産を回避すべき4つの理由

自分で商売をしている人にとって自己破産は、サラリーマンや公務員が自己破産した場合よりもデメリットが大きくなる場合が多いといえます。

特に、「自己破産後も自営を続ける」、一定期間をおいてから「再チャレンジする」ことを考えているときには、過去の自己破産が大きな足かせになることも考えられます。

会社の役員は自己破産すると退任せざる得ない

会社組織にした上で商売をしている人は、自己破産をしたら会社の役員から退任しなければならなくなります。

株式会社の取締役は、取締役の自己破産によって会社との「委任契約」が終了(法定解除事由)してしまうからです(民法653条3項)。

持分会社(合同会社・合名会社・合資会社)の場合でも、「定款に特別の定めがないかぎり」、法定退社事由となっています(会社法607条1項5号)。

しかし、1度退任した後であれば、必要な手続きをとることですぐに再任されることは可能です。

自己破産したからといって「2度と会社の役員になれない」ということはありません。

株式が公開されていない中小の株式会社や持分会社の場合には、定款を工夫することで簡易迅速に再任できる手続きにすることも不可能ではありません。

万が一の場合に備えて、平時のうちに定款の見直しをしておくのも良いかもしれません。

自己破産は「すべての負債」が対象となる


自己破産は「清算」のための手続きです。

そのため、自己破産では、「すべての負債(支払い義務)」を対象に手続きを進める必要があります。

法人の場合であれば、「自己破産=解散」なので、特段それでも問題はありません。

しかし、個人事業主が自己破産する場合には、自己破産によって「リース契約」などが解約されることは、今後の事業継続にとって大きな障害となる場合も多いでしょう。

財産の処分

強制清算の手続きである自己破産では、「債務者保有財産の処分」も伴います。

法人破産であれば、消滅する法人に財産は必要ないので、あまり問題とはならないかもしれません。

しかし、個人事業主の場合には、自己破産によって今後の生活に大きな影響がでることもあります。

たとえば、事務所兼住居といった不動産を所有していれば、自己破産によって事務所だけでなく「住まい」も失うことになるからです。

取引先への影響も大きい

自己破産は、債務者だけでなく債権者にとってもメリットが小さい場合も少なくありません。

自己破産では、「債権者の平等」が最も強く要請されます。

債権者平等とは、「債権の種別・金額に応じて、平等な配当を受ける」債権者の権利のことをいいます。

したがって、担保権者と無担保の債権者では、担保権者が必ず優先されます。

また、同順位の債権者への配当は、債権額に応じて按分されます(大口債権者の方が配当を多く得られる)。

そのため、取引先への未払い分などは、「自己破産してもほとんど配当できない」ことは少なくありません。

取引先にかける迷惑が大きくなれば、今後の事業継続や再チャレンジの障害となることも多いでしょう。

任意整理(私的整理)で借金を解決する


債務整理の手続きは、借金の状況に応じて、任意整理・個人再生(民事手続き)・自己破産の順で手続きを選択することが一般的です。

事業のために多額の負債を抱えた場合であっても、任意整理(私的整理)で、負債を圧縮できる場合があります。

たとえば、「事業それ自体に問題はないが、資金繰りがショートしてしまった場合」であれば、任意整理で支払い負担を減らすことで事業を継続できる場合も少なくないでしょう。

特に、民間の金融機関からの融資に対する「利息の支払いが資金ショートの原因」であるときには大きな効果が期待できます。

自己破産と比べた場合の任意整理のメリット

任意整理の最大のメリットは、「裁判所を利用しないこと」にあります。

裁判所を利用しないため、「複雑な手続きが不要」となり「柔軟な対応が可能」、「費用の節約」も可能となります。

たとえば、任意整理であれば、「リース契約」のような解約されると事業継続に大きな影響の出る負債を除外することが可能です。

取引先への未払い分も除外できます。

それぞれの債権者との交渉も弁護士・司法書士にすべて任せることができるので、債務者自身は事業に専念することも可能となります。

「個人再生や自己破産に比べて費用が安い」のも任意整理(私的整理)の大きなメリットです。

個人事業主の場合であれば、債権者の数に応じて費用が決まるため、借入件数が少なければ、かなり安い金額に抑えられることも可能です。

法人の私的整理の場合には、個人の任意整理よりも高額にはなりますが、自己破産・個人再生の場合の半分ほどで済む場合もあります。

最近では、社長個人と法人の費用をセットにしてくれる事務所も増えています。

任意整理での解決が難しい場合


「裁判所を利用しない」ことは、任意整理(私的整理)の最大の強みでもあると同時に弱点でもあります。

裁判所を利用しないために「強制的に債務整理すること」、「借金(元金)の減額」ができないからです。

たとえば、「支払いの延滞が長期化」して債権者より訴訟を起こされたようなケースでは、任意整理(私的整理)が難しいことが少なくありません。

すでに提訴しているようなケースでは、法に従った処理(早期処理)を債権者が希望していることが多いからです。

また、政策金融公庫や自治体などからの「低利の融資」への返済が行き詰まっている場合にも、任意整理(私的整理)で解決することは難しいといえます。

低利の融資であれば、任意整理しても毎月の支払い負担はあまり変わらないからです。

ところで、借金に困っている自営業者には、消費税や年金・雇用保険などに未納がある場合が少なくありません。

これら公租公課に多額の未納があるときにも、任意整理の足かせとなることが少なくありません。

税金等の徴収機関には、「差押え(滞納処分)の権限」があるからです。

債権者との和解後の分割払いの最中に滞納処分を受ければ、分割払いが頓挫してしまうことも考えられます。

個人再生・民事再生で解決する

自営業者の借金問題は、「金額が多すぎる」、「低利の融資が多い」ことなどを理由に、任意整理に向かない場合も少なくないでしょう。

そのような場合でも「自己破産しかない」と諦める必要はありません。

任意整理と自己破産の中間的な位置づけの方法として「個人再生」、「民事再生」という手続きがあるからです。

個人事業主(個人再生)の場合


「個人の借金」であれば、その原因が事業目的であっても個人再生で解決することができます。

個人再生を利用すれば、利息に加え、借金(元金)の大幅なカットも期待できます。

借金の額 最低弁済基準額
100万円未満 全額
100万円~500万円未満 100万円
500万円~1,500万円未満 債務の1/5
1,500万円~3,000万円未満 300万円
3,000万円~5,000万円 債務の1/10

上の表は、個人再生における「最低弁済基準額」をまとめたものです。

個人再生は、「最低弁済額」と「清算価値」の2つの基準で算出した金額のより高い方の金額を3年(から5年)の分割で返済し、残額を免除してもらう手続きです。

「清算価値」とは、「自己破産した場合に配当が期待される金額」のことをいいます。

たとえば、2,000万円の負債を個人再生で解決するときには、「預貯金や保有不動産などの合計額が300万円を超えない」限り、「300万円を分割返済する」ことで、「残額(1,700万円)を免除」してもらえます。

借金返済に困っている個人事業主の場合には、清算価値が最低弁済基準額を超えることは、実際にはあまりないでしょう。

また、分割返済の頻度も「3ヶ月に1回以上」であればよいので、収入に変動の大きい自営業者でも対処しやすいのは、個人再生の大きなメリットです。

なお、個人再生は、負債の原因は問われませんが、負債額(再生計画の対象となる金額)が5,000万円を超えるときには利用できません。

負債額が5,000万円を超える場合には、通常の「民事再生」の利用を検討します。

民事再生

民事再生は、中小企業(や個人事業主)の経営を再建させるための手続きとしてとても重要なものです。

個人再生は、民事再生法の成功を受けて、「個人の債務整理向け」に整備しなおされた手続きです。

したがって、「裁判所に提出した再生計画案の認可を受けて、負債を分割で返済する」という手続きの基本は、民事再生・個人再生に共通しています。

民事再生と個人再生の一番の違いは、再生計画案に対する可決要件です。

個人再生(小規模個人再生)では、「消極的同意」(反対が多くなければ可決)で良いのに対し、民事再生では「積極的同意」(賛成が多くなければ否決)」が必要である点です。

また、最低弁済基準額に相当する基準もないため、再生計画案の作成により慎重な対応が必要となります。

他方で、負債額も多くなるため計画弁済(分割返済)の期間は、最大10年まで認められています(民事再生法155条3項)。

一般的な実務では、スポンサーを探しだし、必要な運転資金の確保や債権者の信用獲得をはかりながら再生計画案を策定する場合が多いといえます。

民事再生(個人再生)のメリット


民事再生(個人再生)の手続き的なメリットは、「経営権を失わずに債務者自らが主導権を握って経営再建を図れる」ことにあります。

このような方式を実務では「DIP(Debtor in possession)型」と呼んでいます。

自己破産や会社更生法を利用したときには、裁判所から破産管財人・監督委員が選任され手続き実施のイニシアティブを握ります。

また、民事再生であれば、一定の担保権についても「別除権協定」を結ぶなどの方法により、事業継続に必要なリース契約などを維持しながら、他の負債を圧縮することも不可能ではありません。

さらに、事業継続に必要な取引先への支払いを優先することも可能です。

自己破産では、「清算」を前提とした画一処理が原則となるため、柔軟な対応は不可能です。

なお、担保のある負債に対する対応は、民事再生よりも会社更生の方が優れています。

会社更生方が適用されれば、担保権を消滅させられる場合があるからです(会社更正法104条)。

とはいえ、会社更正法は「株式会社」にしか適用できず、大会社を想定した手続きなので、中小企業には負担が大きすぎる場合も少なくありません。

中小企業の場合には、民事再生法を適用した上で、担保権者とは個別に交渉していく場合が実際には多いでしょう。

会社を清算するときにも「特別清算」ができる


会社を清算せざるを得ないときにも、自己破産ではなく「特別清算」という方法を選ぶことができます。

特別清算は、債務者主導(DIP型)で会社を清算するための会社法上の手続きです。

特別清算は「再チャレンジ」したい人向けの清算手続き

自営業者の人には、債務整理後も再度事業を興して自営を続けたいと考えている人が少なくありません。

事業をするためには、「取引先の確保」が何よりも大切です。

自己破産によって取引先に大きな迷惑を掛ければ、今後の再チャレンジの障害となることもあるでしょう。

特別清算は、債権者との協議(和解)に基づいて、会社の負債・財産を処分していく手続きです。

そのため、債務者自身が債権者にきちんと挨拶をする機会を作ることができます。

さらに、銀行などの大口債権者の同意を得られれば、取引先への未払い分などの小口の負債を優先的に処理することも可能です(会社法565条ただし書き)。

会社の負債を個人保証している場合

中小企業の経営者の多くは、会社の負債を個人保証しているようです。

個人保証があることが、早期の債務整理にとって大きな障害となっていることは珍しくありません。

経営者による個人保証がある場合には、「経営者保証に関するガイドライン」を利用することで、問題を解決できる可能性があります。

「経営者保証に関するガイドライン」とは?


「経営者保証ガイドライン」は、2014年から運用がはじまった比較的あたらしい、中小企業団体・金融機関の自主的ルールです。

法人の債務整理に詳しい弁護士のほか、中小企業基盤整備機構の地域本部や、全国の商工会・商工会議所などでも相談を受けることができます。

「経営者保証ガイドライン」を利用するとどうなる?

「経営者保証ガイドライン」を利用すれば、「自己破産した場合よりもかなり有利」に債務整理を進めることができます。

メリットの例をまとめると、次の通りになります。

・自己破産の自由財産(99万円)よりも多くの財産を手元に残せる
・不必要に華美ではない住居用不動産は、差し押さえられずに手元に残せる
・信用情報への登録がない(ブラックリストに載らない)

まとめ

自営業者の借金問題は、どうしても対応が遅くなりがちです。

悪いイメージの強い「自己破産」は避けたいと誰しもが考えるからです。

しかし、事業によって多額の負債を抱えたときでも、早期に対応すれば、債務整理によって生じるデメリットを最小限に食い止めることが可能です。

「自己破産した場合よりも多い金額を債権者に配当できる」可能性があるならば、民事再生・私的整理(と個人保証ガイドラインの適用)によって、いまの事業を継続できる可能性すら残されています。

「資金繰りが苦しい」と感じたときには、できるだけ早い段階で債務整理に強い弁護士に相談するようにしましょう。



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実際に多くの人が専門家に話を聞いてもらうことで、借金問題を解決することに成功しています。

また、多くの方が口を揃えて言うのが、『こんなにあっけなく借金問題が解決するなら、1人で悩まずもっと早く相談するべきだった。』ということ。

借金問題は先送りにすればするほど、状況は悪化するだけです。

悩んでいる間にも利息や遅延損害金は増え続けますし、1日も早く行動をとることが非常に重要です。

あなたの大切な人生。より良いものにする為にも今すぐに行動をすることをおすすめします。

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